Spa & Wellness Insight
小川 澄江 氏

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感動レベルの“おもてなしウェルネス”

株式会社グラシアス 代表取締役・セラピスト
小川 澄江 氏

interviewer: 相馬 順子

あの日に母にもらったぬくもり…。幼いころ怪我をしたときに母にそっと手当をしてもらった記憶があります。心配そうにのぞき込むまなざしとともに。幼い日々を思い出すときには必ず母と手をつないだり、痛いところをさすってもらったり、母の手には過ぎし日の想い出がいっぱいつまっています。
今回お話を伺ったのは、セラピスト兼株式会社グラシアスという会社の代表取締役を務め、京都、東京といつも飛び回っている多忙な小川澄江さん。ウエルネス業界でも一目置かれた存在です。どのようにしていまの仕事に巡り合ったのか、そして今に至るのか? さっそくお話をお伺いしたいと思います。

優秀なセラピストを京都の名だたる5つ星ホテルに派遣

相馬:今回、京都と銀座のプライベートスパにお邪魔させていただきました。どちらも立地が最高で、素敵な空間ですね。しかしながらお伺いすると、このサロンは本当に限られたお客様をお迎えする特別な場所で、会社の主力業務としては、優秀なセラピストを名だたる5つ星ホテルのスパや客室に派遣されているとお伺いしました。このお仕事を始められたきっかけをお伺いしてもよろしいでしょうか?

小川:もともとは個人でサロンを経営していたのですが、そこに足しげく通ってくださって施術内容をとても気に入ってくださった方がホテル役員の方で、ある日、そのホテルのスパのオペレーションにお声をかけてくださって…。それを契機に、めぐりめぐって京都の老舗ラグジュアリーホテルでスパ・セラピストのインルーム派遣をすることになったのです。
その後、弊社に入ってくださった私の片腕ともなる女性セラピストが、外資系トップエンドホテルから弊社に入社してくださり、外資系のトップホテルとつながりができました。そちらのホテルスパの人員補充などでセラピストを派遣していくうちに、いくつかのトップブランドのホテルや老舗の旅館からスパ・セラピストを送っていただけないか、とお声をかけていただき今日にいたります。

相馬:小川さんの会社は、ひとのご縁や土地のご縁と利をいただきながら、ご自身の技術やスパ・セラピストたちの質の高さが相まって、大きくなっていった、という感じがします。

小川:実際そうなんだと思います。小さな個人サロンをはじめ、そこで私が出会ったフルボ酸とホホバオイルを使い、お客様に寄り添った施術をしてきたところ、このフルボ酸を気に入ってくださった方からのお声がけがホテル業界に入るきっかけ、そして京都に拠点を移すきっかけになっていますし、世界の名だたるホテルにスパのセラピストを送ることができるようになったのは、起業当初にホテルのスパ施術のプロトコルを教えてくれ、一緒に開拓をしたトップホテルのセラピストだった女性のおかげです。

フルボ酸とホホバオイルのトリートメント

相馬:さきほどフルボ酸とおっしゃいましたが、これはどのようなものですか? お客様だけでなく、セラピストの肌にもとてもよいようですが。フルボ酸とは? オイルと一緒に使うのですか? 先ほど、ペットボトルに入っている飲料用のフルボ酸もおみかけしましたが。

小川:フルボ酸は、太古の植物堆積層(腐植層)から抽出された高分子有機化合物です。フルボ酸水溶液には、フルボ酸と合わせて多くの植物性のミネラルが含まれています。各成分は微量ですがナノ化・イオン化された体に吸収されやすい状態となっていることが判っています。これらの有用ミネラルが、フルボ酸のカニの爪形の分子構造によるキレート作用によって、体内に効率的に運ばれて、また、有害物質の排出も促がされるといわれています。
体内の放射性物質の排出にフルボ酸が有効であるとの研究報告もされています。I型コラーゲンの生成促進によるお肌のターンオーバー促進や、高い抗酸化作用等も報告されており、化粧品やヘアケア製品等にも利用されてきています。また、抗菌・抗ウィルス効果も検証報告されており、細菌やウィルスへの強い抗力を持っていることも報告されています。
弊社オリジナル製品「La GRACIA フルボ酸」は、米国ユタ州ヒューミックシェールと長崎県諫早湾産の定評ある2産地の腐植土由来のフルボ酸を最適配合しています。弊社SPAトリートメントでは、このフルボ酸水溶液をアルカリ水素水で希釈してpHを最適化したものとオーガニックのクリアホホバオイルを組み合わせて施術しています。

少しでも改善されて元気に育って欲しい

相馬:フルボ酸との出会いは、アトピーで苦しんでいたご子息のため、とお伺いしました。

小川:はい、息子が幼いころは、アトピーがあったり、食べ物のアレルギーがあったり、とほんとうに少しも気を抜くことができない状態でした。そのような中、私の支えになったのは、ママ友たちです。同じ悩みを持つお母さま同士が助け合い、情報を出し合い、子供たちのために一生懸命前をむき、日々奮闘してきました。その中で出会ったフルボ酸が、息子のアトピーにとても効果があったこと、これはそのまま飲むにしても身体に塗布するにしてもとても安全で自然の恵みを受けることができることから、私の施術にはこのフルボ酸を使うようになりました。植物性ミネラル、アミノ酸、ビタミンなど、多くの恵みをもつこのフルボ酸は、毎日の飲用を続けていただくことができます。私のサロンではこのフルボ酸を、施術のメニューとしてホホバオイルと共に肌に直接塗布して施術させていただいています。

相馬:小川さんの施術にはとても暖かい小川さんのこだわりと気持ちを感じてしまいます。

小川:息子がアレルギーやアトピーなどの問題を抱えながら一生懸命生きていく姿、そして私だけでなく、多くの友人に支えられながら子供を一人前に育て上げることができた私にとって、私のサロンにいらしてくださるお客様には感謝の気持ちを込めて施術をし、つらい身体の痛みや、眠れない、落ち着かないといった心理的なつらさも少しでも癒してさしあげたいという気持ちがとても強いです。

相馬:先ほど私も施術を受けさせていただいたのですが、思わず今は亡き母親のことを思い出してしまいました。手のひらから流れてくる暖かい気が、母親の手から感じた“ああ、大事にしてもらっているんだな”という暖かさと同じだと感じました。スウェーデンの友人がオキシトシンというホルモンの話を以前していました。彼女はシックスセンスというスパグループを作り上げたチームの一人でもあったのですが、スパに来る人たちにとって、なくてはならないことの一つに。大事にされている、愛情をもって接してもらっている、という気持ちからでる幸せのホルモンなのだと言っていました。スパにいらしてくださるお客様には、この幸せで満ち足りた時間を造ってあげたいのだと。

小川:全くその通りだと思います。私たちのところにいらしてくださったお客様には、そのお悩みや癒してあげたいところを一人一人に合わせて内容を決めていっています。幸せを感じていただき、本当に大事にされているのだ、と感じていただけるお時間と空間をご提供させていただくのが私たちの役割だと思っております。

インタビューが終わってー
小川さんにご子息はいまどうされているのですか? とお伺いしましたところ、「息子は自分で医療の道を選び、医学部に入学して医師の卵になりました。」
母親だけでなく、ママ友たちから受けた愛情が、医療で人々に貢献しようという形になったのかなと思い、とても暖かい気持ちになりました。

デオグラシアス銀座 京都別邸ではSpa Vitaチケットが利用できます。

小川 澄江(おがわ すみえ)

株式会社グラシアス代表取締役。セラピスト。一人息子の発達障害やアトピー性皮膚炎、食物アレルギーが、少しでも改善されて元気に育って欲しいとの思いから、アロマテラピーや各種徒手療法、神道の気を通じる技法等を子供に施術したことでセラピストの道へ。個人サロンを経て、2015年、契約ホテルにて施術サービスを提供する、株式会社グラシアスを起業。現在は、東京・京都・大阪・仙台を拠点に施術サービスを提供。自身も一セラピストとしてスタッフと共に日々研鑽しながらお客様対応をしている。

相馬 順子

相馬 順子(そうま よりこ)

株式会社Conceptasia (www.conceptasia.jp)代表取締役。Global Wellness Summitボードメンバー。Boston Consulting Group香港オフィス勤務ののち、ウエルネス事業に対するアドバイス、投資を行う会社を設立。著名ブランドのスパを国内外に次々とオープニングさせてきた。国立大学法人琉球大学観光産業科学部「スパマネジメント論」講座 非常勤講師。